今からここは中国史です②春秋戦国時代〜秦
今からここは中国史です②
春秋戦国時代〜秦
前回の黄河文明、受験ではサラッとやるだけだったんですけど、じっくり見ると結構神秘的な領域で、面白い時代だった!
次の春秋戦国時代を一言でいうと、
〈混沌and思想!〉
「諸子百家」の時代ですよ!!
時代の混沌は思想の発展に繋がります。
また同時に、この、前10世紀〜前5世紀は世界規模の「精神革命」の時代でありました。
西にソクラテス、中央にブッダ、そして東に孔子、と、有名人がどんどん出てくる。他にもユダヤの旧約聖書が書き始められたり、ペルシアでゾロアスター教が起きる、などなど。
前回までの農耕!農耕!農耕!ザ・土器!いぇあ!っていう時代との違いがわかりますね
さて、本題に入ります。
東に移動して弱体化した周だったけど、その権威はまだ諸侯を牽制するには十分だった
そこで周りの諸侯たちは、周の王を尊んで異民族の侵入を追い払うという「尊王攘夷」のスローガンを掲げながらご近所諸侯たちを取り込んで自分が最終的に強くなろうとした!
そうやってバラバラと細かくいっぱいいた諸侯は大きな諸侯にどんどん吸収されていって、「諸侯」より強めの「覇者」という存在がうまれる。
特に勢力を増し、代表的となった五人の覇者を「春秋の五覇」と呼ばれた。
花男でいうコレクト5である。
五覇のメンバーとして
・斉の桓公
・晋の文公
は確定らしいが、ほかの3人はメンバー争いがあるらしい。なんやねん。
そんなこんなだった、ところが!
前403年、圧倒的五覇の確定メンバーだった「晋」が家臣に国を奪われ晋は「韓」「魏」「趙(ちょう)」の三国に分けられた。(またややこしいことを…
これ以降からを「戦国時代」と呼ぶ!
一方その頃周王朝。もうなんか強そうな国は増えに増えるし、気づいた頃にはどうしようもなかった。権威は完全に地に落ち、先ほどまでの尊王攘夷なんてのはもうどっかに飛んでいってしまった。
まわりには7つの強国がわやわや、そのラインアップは
斉
楚
秦
燕
韓
魏
趙
これらの「戦国の七雄」と呼ばれたつよくてカッコいい人たちがグイグイ出てくる
余談だけど「燕」という言葉を見てだいたい思い出すのは燕京ビールである。
その名の通り、北のビール。この頃から燕という呼び方は始まっているのだなあ
そしてこの時期になると諸子百家はもう大活躍!
孔子先生たちの登場です。
→強くなって国らしいものを持てるようになった覇者の方々、しかし、政治方面がプロとは限らない。
諸子百家たちは旅人のように各地を点々としながら、そんな色んなお国のトップの政治や思想の手助け、助言をする人たちだった!
それぞれの思想を見てみると、今でも中国の文化に根強く残っているものが多い
孔子による儒教だけがワンマンで、他の思想は薄れていったのかと思っていたけどそうじゃなかった。一つ一つが今でも中国の生活に染みついている。
それどころか日本にも影響を与えたものは結構ある!安倍晴明の五行とかはわかりやすい例だと思う
今回思想の話をメインにするつもりだったけど、これだけで話が盛り上がりそうなので、今は大筋を通しといて、思想は中国史3.5としてぶち上がって行こうと思います
また、ここで
貨幣の登場を特筆したい!
バラバラに国の体制や農地開発などの発展を始め、この時期は多くの国が割と栄えていた
こうして「貨幣」が登場するようになる!商いや売り買いが行われ始められた証拠である。
しかもこの貨幣、青銅で作られた。青銅という素材は、前回の「青銅器」は王やら祭祀やらそういうレアな時のもの、というイメージだった。そういう意味では貨幣もちゃんと大事にされるように青銅で作ったのかな?
この当時の貨幣、いろんな形で使っていて、国によって使うものが違った。
『世界史詳覧』より
燕、斉では「刀銭」
(めっちゃ持ち歩きにくそう!)
韓、魏、趙では「布銭」
楚では「蟻鼻銭」(ぎびせん)
そして1番見慣れているこの形、「環銭」は戦国末期に各国で使われるように!
→ヨーロッパがEUでお金をユーロに統一したように、貨幣は国内だけでなく、国外とも共通にすることで、面倒ごとを少なく、他国と交易ができる、だから、最初の方もご近所の国どうしでは似たような貨幣を使ったし、戦国末期には多くの国が環銭を使うようになったのかな!?
貨幣の統一は商業をスムーズにする
しかし、このバラバラした状態の戦国時代、力の均衡は長くは続かない。
戦国の七雄のうちの一国がついに中国を一つにまとめ上げる時が来る!
この春秋戦国時代を制したのは一体どこか!まあ名前見てだいたいわかると思うけど!
はいそうです「秦」です!
西側に広くバサーッと領域をひろげていた秦。前4世紀中頃からむちゃくちゃ強くなった。
それ以外の6国は「あ、これやばくね…?」という空気になり始める
「「「このままだとやられる……!」」」
この「秦なんか強くなり始めた問題」に対して諸子百家の一つ「縦横家」が登場する!
その解決策は「連衡策」と「合従策」の二つ。
①連衡策 それぞれが秦と仲良くやる
②合従策 6国がまとまって一つになり秦に対抗する(スイミーっぽい)
仲良くやるか、対抗するか。二つの意見は全く正反対の考え方だった。
しかし最終的にこの議論虚しく、6国秦によって一つ一つじっくりと滅ぼされるのであった…(ついでに東周も倒した、まだいたらしい。)
前221年 最後の国を倒し、ついに中国を統一!
広大な中国大陸を統一した最初の王朝である!
無論これでこそ始まりの皇帝「始皇帝」である。
次回!はじめての統一国家はうまく行ったのか?!かの有名な兵馬俑も登場!